本日は私が個別塾の教室長をしていた頃にある親子から相談を受けた内容をシェアしたいと思います。
その相談内容は、「何のために勉強をしなければならないのか?」という非常に深いご質問でした。
学校の勉強って大人になって使わないじゃん!
先生!
何で勉強しないといけないんですか?
学校の先生は将来立派な人間になるためにって言うけど、学校で習っている勉強を大人になって仕事で使っている人ってほとんどいないじゃないですか!
勉強をする理由ってのは、人によってそれぞれ意味合いが違ってくるから、一概に一つの理由で説明は付かないんだけどね。
例えば、研究員の仕事をしている人は理科の授業で習う化学の知識がないと出来ない仕事だよね?
それは分かるけど、じゃあその人は社会とかの勉強はいらないよね?
でも、学校では絶対に勉強しないといけないし、将来使わない教科もテストしないといけないのはなんでなんですか?
現実的な話をすると、学生のうちになりたい職業に将来的になれる人って全体の何%くらいだと思う?
50%とかですか?
正確な数字は分からないけど、残念ながら5%も居ないだろうね。
それは単純にその職業になる難易度が高いという理由で断念するケースもあるだろうけど、高校・大学と進んでいくうちに将来なりたい職業がどんどん変わっていくっていう理由もあるな。
じゃあ仮にピアニストになりたい中学生が居たとします。その子は将来的に数学も理科も必要ないから何も勉強しなかったとする。でも、20歳近くになった時に大手企業のサラリーマンになりたいと考え直してしまった場合、この子は大企業のサラリーマンになれると思う?
努力したらなれるんじゃないですか?
確かに、企業によってはなれるだろうね。でも、ほんとんどの場合は二度と大企業のサラリーマンにはなれないんだよ。
なぜかというと、今まで勉強をしてこなかったこの子は、高校にも大学にも入る事なく中卒です。そして、大手企業のサラリーマンになるには、大学を卒業している事とその大学の偏差値がある程度高い大学でないと、書類選考という1次試験にすら受かる事が出来ないのです。
それってヒドくないですか?
確かにここだけ聞くと酷いかも知れないかもね。
でも、会社からするとしっかりと仕事をこなしてくれる人に入って貰わないと、会社が潰れちゃうんだよ。「この仕事は嫌だから、やらないでおこう」というスタンスで仕事をされる人には入社してほしくないんだね。
だから、面接でそう言った仕事をしっかりと出来る人を見極めて入社させたんだけれど、面接をする人も人の心を読めるようなエスパーじゃないから、その人が本当はどんな人なのかという判断が難しい。
そこで、目安にするのがその人の出身大学。これはその大学に入学するにはその学校に適した偏差値を受験時に持っている必要がある。そして、その偏差値を上げるためには日頃から周りの先生や親の言う事や勉強という仕事をしっかりと理解して実践できている人だけが偏差値を上げられるんだよ。
という事はだ。偏差値が低い人=仕事を10個任せても、2〜3個しかやって来ない人である可能性が高い、って判断されるんです。
つまり、学生時代に勉強するという事は、将来の自分が選べる選択肢を広げるための仕事なんだよ。
それも、親や学校の先生のためではなく、自分自身の将来のためのね。
だから、今の君の成績はまさに会社から仕事ができない人間と判断される点数帯なんだよ。
なんか不安になってきた(汗)
まだ全然焦るタイミングじゃないから、少しづつで大丈夫やで^ ^